移民先祖に手合わせ 高江洲さん、ハワイで墓参り実現


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仁王さんの墓の前で、顔を覆う高江洲福枝さん=24日(現地時間)、米国ハワイ島ヒロ市(金城ロバートさん提供)

 移民としてハワイに渡った親類の墓や親戚を訪ねるため、現地を訪れている高江洲福枝さん(68)=浦添市=が24日(現地時間)、ハワイ島のヒロ市で長年の夢だった先祖の墓参りをかなえた。2年前に他界した夫・清仁さんの祖父の弟である仁王(におう)さんの孫・高江洲マイルズさんと初めての対面も実現。手元にあった墓の写真を手がかりに、ハワイのウチナーンチュネットワークを駆使し現地の場所が特定され、途絶えていた親戚とつながった。福枝さんは「とても感動した」と、海の向こうのウチナーの絆をかみしめた。

 福枝さんはハワイ出身の日系3世瀬分(せわけ)コリン善久(よしひさ)さん(44)=読谷村=を通し、ハワイの県系人らから高江洲家の墓や親戚の情報を得た。沖縄ハワイ協会(高山朝光会長)も尽力した。23日、マイルズさんと、瀬分さんの友人・金城(かねしろ)ロバートさん(46)らに空港で出迎えられた。同市のアラエ墓地にある仁王さんらが眠る墓も訪れた。福枝さんは顔を覆い涙を流した。

 沖縄戦で7人の家族を失った高江洲家。福枝さんは、1910年代に移民した仁王さんと仁王さんの弟・嘉真(かしん)さんの家族が気になり、「ハワイにいる家族の広がりを見たい」と10年以上前からハワイ訪問を望んでいた。