翁長知事、移設工事容認を否定 北部訓練場年内返還「歓迎」発言 県議会特別委で謝花公室長 


この記事を書いた人 金城 美智子
米軍北部訓練場の約半分の返還とヘリパッド移設工事について、県の立場を説明する謝花喜一郎知事公室長(答弁席前列右から3人目)=11日午前10時すぎ、県議会

 県議会は11日午前10時から、米軍基地関係特別委員会を開いた。8日に来県した菅義偉官房長官が翁長雄志知事との会談で、北部訓練場の約半分を年内に返還する方向で米側と交渉していると述べたことについて、翁長知事が会談後の記者会見で「歓迎する」と表明したことへの質問が相次いだ。この発言について、翁長知事は同訓練場の部分返還の条件となっているヘリパッド移設工事も容認したのかという質問に対し、謝花喜一郎知事公室長は「今朝知事にも確認したが、そういうことは毛頭ないと明言していた」と否定した。照屋守之氏(沖縄・自民)への答弁。

 照屋氏への答弁で謝花氏は「高江のヘリパッドはオスプレイの使用にしろ、地域住民の日常生活、抗議活動などさまざまな課題がある中で、県がヘリパッド容認とは直ちに言える状況ではない」と述べた。

 謝花氏は翁長知事が8日の菅氏との会談で、ヘリパッドでのオスプレイ運用や、強行的な工事の進め方など、従来政府を批判してきた点には言及しなかったことについて、知事に直接確認したとした上で、諸課題については、知事が後日、(菅氏に)申し上げたいと伝えた、と説明した。知事は「課題も認識している」ことから、菅氏本人には年内返還を「歓迎する」ではなく「承った」との表現で応じたと説明した。渡久地修氏(共産)への答弁。

 照屋氏がヘリパッド移設計画に反対する選択肢はあるのかと質問したのに対し、謝花氏は「ヘリパッドでオスプレイが使われることには反対だ。工事が強行に進められている中で今、容認はできない」とした上で「県庁内で『反対か賛成か』という議論はできていない」とした。
【琉球新報電子版】