辺野古阻止策「自治争議権視野に」 北中城で学習会


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
沖縄における自治争議権で講演した名桜大学の大城渡上級准教授(右奥)=15日、北中城村社会福祉協議会

 【北中城】「沖縄における自治争議権の可能性」と題した講演・学習会(第9条の会・沖縄うまんちゅの会主催)が15日、北中城村社会福祉協議会で開かれた。名桜大学の大城渡上級准教授は、名護市辺野古への新基地建設問題などの国の対応に触れ「選挙も無視され、裁判も厳しい中にあって、辺野古を止めるには可能性として自治争議権(住民行動権)なるものを検討したい」と話し、地方自治の非暴力な非常救済手段の一例として提起した。

 大城氏は、自治争議権について、中央政府との間で地域住民が対等な立場を確保し、正当な訴えを認めさせるため、住民行動の自由を保障させる権利と定義。

 具体的な行使態様の一例として「基地維持の上で必要な商品、サービス、労務などの提供・販売を、沖縄の全ての基地内外で一斉拒否してはどうかと考える」と、試論としつつ例示した。

 行使の要件としては「利害の異なる多様な住民同士の相互理解が欠かせない」と指摘。具体的には「基地周辺に住む住民や基地労働者のみに負担を負わせることがあってはならない」とし「基地への労務などの提供拒否が実現するなら、関係者の痛みを分散して分かち合う覚悟も必要となる」と注意を促した。

 県内での自治争議権に関わる歴史としては1953年の伊江島の闘いをはじめ、56年の島ぐるみ土地闘争、64年の任命主席反対運動、最近では米軍基地の整理縮小など賛否をめぐる96年の県民投票などを振り返った。大城氏は「平和など憲法上の諸価値が住民、為政者に根付いてこそ、結束して自治争議権を行使することができる」と話した。

 学習会では、高江の着陸帯の米軍提供施設内での警察権行使の在り方などで参加者から質疑があった。