沖縄県系若者が辺野古、高江に 基地沖縄 苦難学ぶ


この記事を書いた人 新里 哲
フェンスの向こうの米軍キャンプ・シュワブを眺めたり撮影したりする参加者=24日、名護市辺野古の浜

 27日に開幕する「第6回世界のウチナーンチュ大会」を前に、世界各国からの20~30代の若者が24日、基地問題に揺れる名護市辺野古の海や東村高江の森を訪れた。参加者からは「やはり抵抗は必要だ」「基地の存在は命に関わる問題だ」「容認する人の思いも聞きたかった」などの声が上がった。「世界のウチナーンチュと行く!高江辺野古ゆんたくバス2016」(同実行委員会主催)の一環で、北米や南米7カ国からの13人を含む約20人が参加した。

 辺野古の浜ではヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表からの説明を受けながら、米軍キャンプ・シュワブと民間地を分け隔てるフェンスの向こうを興味深く眺めるなどした。

 松本カリナ沙登美さん(27)=ブラジル3世=は2013年の研修生時代にも辺野古を訪れたことがある。建設を止める手だてとして「やっぱり抵抗は必要だ」と考える。ブラジルでは市民デモに警察がゴム弾や催涙弾で対応することがあるというが「(日本の機動隊が市民を)手で押しただけだとしても、暴力には変わりない」と率直に話した。

 ジェフ・タナカさん(27)=米国出身、カナダ在住4世=は、日本や米国に支配された沖縄の歴史に言及し「長いことその土地に住んでいた人々を押し出すという構造は、カナダの先住民が抱える問題と似ている」と自国の状況と重ねた。「沖縄の言葉や土地、文化を残そうとしている人は希望になる」と話した。

 父方母方共に本島北部にルーツのあるアルゼンチン3世のヘラルド・マリアノ・和男さん(35)は、米軍基地を渋々容認する人の思いも聞きたかったが、時間が足りなかった。基地の存在は「人命に関わる問題だ」とし「命を犠牲にしてまで守らないといけないものはないはずだ」と話した。

 実行委員会の徳森りまさん(29)は「基地問題の賛否を問うのではなく、現場を見て聞いて、考えてもらう機会をつくりたかった」と意義を述べた。

英文へ→Young attendees to the 6th Worldwide Uchinanchu Festival visit and study Henoko and Takae