キングス4位後退 Bリーグ第14戦


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キングス―大阪 第3クオーター、キングスの岸本隆一がドリブルでリング下に切り込む=6日、宜野湾市立体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区3位=7勝6敗)は6日、宜野湾市立体育館で大阪エヴェッサ(同4位=6勝7敗)と第2戦(今季第14戦)を行い、85―86で敗れて3連敗となり、地区4位に後退した。キングスは第1クオーター(Q)の立ち上がりにターンオーバーやシュートミスから失点を重ねたが、喜多川修平が攻守で奮闘して五分の展開に持ち込んだ。第2Qはインサイドで波多野和也が点を重ね、一時は2桁のリードを奪った。しかし勢いを維持できず大阪に差を詰められ、49―45で前半を終えた。第3Qは守備で踏ん張り大阪をロースコアに抑えることに成功。11点リードで第4Qに突入したが、勝負どころでミスを重ねて逆転負けを喫した。キングスは19、20の両日、愛知県体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェー2連戦を行う。(観客2960人)

大阪 7勝7敗
86―85(26―25,19―24,11―18,30―18)
キングス 7勝7敗

 【評】キングスが、守備のもろさと勝負弱さを露呈して大阪に競り負けた。前半は喜多川や波多野が奮闘して点を重ねたが、大阪の攻撃を止められなかった。第3Qに一時は守備から流れをつかんだものの、第4Qに大阪の猛攻を受け、大事な場面でミスから失点をした。大阪は勝負どころで確実に点を重ねた。
(平安太一)

◆連敗避けたかった

 伊佐勉HC(キングス)の話 連敗だけは避けたかった。僕の采配の結果でこうなったことは残念だ。第4Qにオフェンスでミスがあって、ディフェンスにも影響した。勝敗にかかわる大事な局面でターンオーバーもあった。しっかりと練習しないといけない。

◆我慢して勝ち切った

 桶谷大HC(大阪)の話 我慢して勝ち切ることができた。前半はファウルが多くて自滅した。うまくいかなかった第3Qの守備も、第4Qに効いてきて、キングスの足を止められた。キングスの勝ちゲームだったのを最後に取れたことはつきもあった。

◆泥沼3連敗 最終盤で失速

 第4Q残り4秒、金城茂之がシュートを沈め、会場を大歓声が包む。しかしそれも直後に悲鳴に変わる。キングス1点リードの残り1秒。インサイドに切れ込んだ大阪の外国籍選手を止められず、試合を決める2点を献上した。

 これで泥沼の3連敗。重要な局面で力を発揮できない「勝負弱さ」をさらけ出す形で、キングスが4位に転落した。最終盤の失速が痛かった。第4Q残り約5分で8点のリードを維持していたが、ここからシュートミスやターンオーバーで失点を重ねた。伊佐勉HCは「疲れから、勝負どころで簡単なミスが出た」とつかみかけた白星を逃がし悔やんだ。

 前日の試合で低調だった攻撃に、この日は改善の兆しが見えた。第1Qは喜多川修平や岸本隆一がリングに向かい、第2Qは波多野和也がリング下にミドルと多彩な攻撃でチームを引っ張った。一方で、大阪に86点を献上した守備が機能していないことは明らか。伊佐HCは「練習したプレーの遂行レベルが選手によって違う」と感じている。

 初日の大敗に続いて第2戦は逆転負け。キングスはどん底の状態でホーム2連戦を終えた。ベテランの金城茂之は今のチーム状況を「少し混乱している」と表現する。

 真っ暗なトンネルから抜け出して「強いキングス」を取り戻すのか。それとも混迷した状況を引きずるのか。多くのファンが注目している。(平安太一)