奥武山、J1スタジアムにホテル併設 県方針


この記事を書いた人 志良堂 仁

 那覇市の奥武山公園にサッカーJ1の公式戦に対応したスタジアムを建設する計画について、県文化観光スポーツ部の前田光幸部長は21日、「コストセンターではなく、利益を生み出す収益施設にしなければいけない」と述べ、商業施設のほかホテルも併設した複合施設とする方針を明らかにした。沖縄と本土の経済人で構成する沖縄懇話会のパネルディスカッションに出席し、新たなスタジアム構想を説明した。

 前田部長は奥武山でのサッカースタジアムについて「スタジアム改革の時流も押さえており、観光振興にもつながる観戦環境として、見る人が臨場感を感じるスタジアムにする」と説明。ホテルを併設する構想については「条例の見直しなどが必要だが、都市公園で宿泊施設を持つことは可能だ。建蔽(けんぺい)率や容積率など一定の基準の緩和について、那覇市と調整しながら進めていく」と説明した。

 「スポーツ×ビジネス(スポーツの産業化)」をテーマにしたパネル討議に先立ち、スポーツブランド「アンダーアーマー」を日本で展開するドーム社の安田秀一会長兼CEOが基調講演し、沖縄でのプロ野球球団設立を提起した。普天間飛行場返還地での本拠地球場展開を想定したイメージ映像を流し「ゼロからつくり上げることで既存球団より効率的な仕組みにできる」と強調した。

 パネル討議では、街の中心にスタジアムを建設して集客を拡大する米国のスポーツ産業や、プロ野球の広島カープがマツダスタジアムで入場料収入を伸ばしている事例を紹介。球場やスポーツアリーナは維持管理費がかさむという従来の認識を覆し、地域経済の核となる潮流が議論された。