県内の日本語学校や専門学校に通うネパール人留学生の女性がセクハラを受けているという真偽不明のニュースが昨年末からSNS(会員制交流サイト)で拡散され、ネパールで動揺が広がっている。ネパールに住む親が被害を心配し、県内の留学生に帰国を促す事例も出ているという。事態を重視したネパール政府公認の民間組織「海外在住ネパール人協会」(NRNA、東京)日本支部のガイレ・タンカ・プラサド副会長とアヌジュ・タパ幹事長は5日来県し、県内の日本語学校3校を訪問するなど実態調査に乗り出した。
同支部によると昨年12月、在日ネパール人が利用するネットニュース「ネパール・ジャパン・ドットコム」が、学生の証言を基にした県内の一部報道に独自の観測を加えて伝えた記事が発端となり、ネパールの三大全国紙の一つが報じた。
同支部が留学生に対するセクハラ問題を日本国内で調査するのは初めて。調査では、女子学生が被害に遭っているといううわさが留学生間で広がっていることが分かったが、被害者は特定できていない。6日も留学生を対象に聞き取り調査を実施する。
ネパールの報道では留学生に所持が義務付けられている在留カードを学校が預かっていた問題も指摘されており、同支部の調査に対し、学校や留学生らは「昔はあったが今はやっていない」と証言したという。
また、外国人留学生が週28時間以内のアルバイト時間を超過している問題について両氏は「法律は守らなければならない」と前置きし、問題の背景に学校の授業料と寮費の高さがあると指摘。
「法律を破ってまで働かなければならない理由がある。学校も入国管理局もそれを知りながら、誰も解決しようとしない」と述べた。
タパ氏は、日本語学校の学生募集の方法についても疑問を投げ掛けた。「学校は生徒がいないと経営できない。ほしい学生数をまず集めて、あとは学生の責任にする。ビジネスになっている」と厳しく批判した。
同支部は世界68カ国に支部があり、日本国内には沖縄支部を含め12の支部がある。