北部、西表を世界自然遺産に正式推薦


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【東京】政府は19日、世界遺産条約の関係省庁連絡会議を開き、自然遺産候補として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産センターへ正式に推薦することを決めた。今後、閣議決定を経て2月1日までにユネスコへ推薦書を提出する。その後、ユネスコは諮問機関による調査を今年の秋ごろに実施し、早ければ2018年夏の世界遺産委員会で登録の可否を決める。環境省の担当者は「関係省庁は登録できる条件はそろったとの認識だ」と話している。

 推薦区域は計3万7946ヘクタール。「世界遺産としての顕著な普遍的価値」について、島々が成立する過程で独自の生物進化がみられることや、国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性を保全する上で重要な地域であるとしている。

 推薦地は、イリオモテヤマネコやアマミノクロウサギ、ヤンバルクイナなど国際自然保護連合のレッドリスト(2015)に登録された絶滅危惧種86種(うち70種は固有種)を含む動植物の生息・生育地となっている。政府は保護管理の施策としてマングースなどの外来種対策やエコツーリズムの推進、適切なモニタリングと情報の活用などをうたっている。

 関係省庁連絡会議ではこのほか、文化遺産候補として「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)を正式に推薦することも決めた。

英文へ→Biodiverse island areas in northern Okinawa nominated for UNESCO World Natural Heritage