「ネットデマ、最近ひどくない?」 オキラジMC モバイルプリンスさん


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自身のラジオ番組でデマの傾向や対策を紹介する島袋昂さん=9日、沖縄市上地のオキラジ

 【沖縄】インターネット上のデマが社会問題化する中、人の命を脅かす可能性もはらむその危うさや、「メディアリテラシー」(情報を主体的に判断する力)の必要性をひしひしと感じている男性がいる。スマートフォン(スマホ)やネットの活用講座を、学校などで開く「モバイルプリンス」こと島袋昂(こう)さん(29)=沖縄市=だ。ネットに触れる機会が多いため「自分や家族もいつ巻き込まれるか変わらない」と、危機感は強い。

 9日午後9時20分、島袋さんが担当するラジオ番組「スマートフォン王国」(オキラジ)で、特集コーナーが始まった。その日のタイトルは「ネットのデマ、最近ひどくない?」。内容はネットを中心に流布するデマの傾向を分析し、対策を練ることだ。

 特集では昨年末に一般人の写真が無断で拡散された北谷町のテロ騒動や、今年1月に沖縄市内の中学生による暴行動画が拡散した際、拡散過程でネット上に根も葉もない情報もあったことを説明した。その上で「デマは身近にあり、対岸の火事ではない」と特集した理由を語った。

 北谷のテロ騒動については「その情報を見た人が、テロを止めるために掲載された写真の人に暴行するかもしれない」と述べ、デマが人の命を脅かす可能性についても言及した。

 島袋さんはデマの傾向を「チェーンメール型」と「アジテーター(扇動者)型」に分類。前者は感動や不安をあおる情報を指し「『オオカミ少年』のように、緊急時の認識を誤らす可能性がある」と指摘する。後者は意図を持ったデマで、政治や健康関連の情報が多いという。その上で「この手の情報は陰謀論と相性が良く、間違っていても説得力があったりする」と述べ、多角的な分析の必要性を強調した。

 番組終盤では、メディアリテラシーをいかに向上させるかについて、持論を紹介した。「情報は食べ物と一緒で、バランスよく。ジャンクフードだけでは駄目。いろいろなメディアを見て、精査しながら取り入れていくことが大事」と話した。