辺野古の護岸工事、5月着手 沖縄防衛局、ブロックの6割投下


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
新基地建設が計画される名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸域=2月5日

 政府が沖縄県名護市辺野古の新基地建設で海上工事を再開してから、6日で1カ月が過ぎた。沖縄防衛局は埋め立ての初段階となる護岸工事に先立ち、周辺海域で汚濁防止膜の設置を進めている。汚濁防止膜を海底で固定する大型コンクリートブロックは、全228個の約6割の投下を終えた。政府は汚濁防止膜の設置を終えれば、大型連休明けの5月上旬にも護岸工事に着手する計画だ。

 防衛局は大浦湾の北側と南側でブロックの投下を進めている。今後は「長島部」と「作業ヤード部」と呼ばれる地点で投下する。長島部は周辺のサンゴ礁の生息調査を終えた後に投下する。調査は3月中旬ごろまで続く予定。

 ブロック投下について県は、サンゴ礁などへの影響を事前に確かめる必要があるとして、防衛局に詳細な情報提供を求めている。県は確認作業を終えるまで投下しないことも求めたが、防衛局は投下作業を続行している。

 一方、3月末に期限切れを迎える辺野古沿岸部の岩礁破砕許可について政府は、名護漁協に工事に伴う補償金を支払い、同漁協側が漁業権の放棄に同意したことを理由に、漁業権の存在を前提とした破砕許可を県から得る必要はないとしている。3月中に県に更新申請しないことを正式に伝達する方向。

 だが県側は、漁業権は公共財であり知事がその設定を決定するもので、漁業権を一部放棄する変更手続きには、地元漁協の内部決定だけでなく知事の同意が必要だとして、国の岩礁破砕許可の申請義務は消えていないと主張している。