国、翁長知事に賠償請求検討 辺野古承認の「撤回」に対抗策 「スラップ訴訟」の批判も


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する市民集会=25日、辺野古のキャンプ・シュワブ前

 菅義偉官房長官は27日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、移設阻止に向け翁長雄志沖縄県知事が埋め立て承認を撤回した場合、知事個人に損害賠償を求めることが「あり得る」と明言した。国が知事を相手に損害賠償を請求する考えを示したのは初めて。知事権限として認められている「撤回」を検討する知事を相手に、国が損害賠償をほのめかして知事個人を抑圧するもので、識者からは抵抗する市民の萎縮を狙った「スラップ訴訟」との批判の声も上がる。

 菅氏は同時に、撤回による工事の影響について「粛々と進めていきたい」と述べ、知事から「上から目線」と指摘されて2015年4月から会見で使わなかった「粛々」という言葉を使って強調した。

 菅氏は和解条項で裁判の判決に従うことが明記されていたとして、昨年12月の新基地建設を巡る違法確認訴訟で国が勝訴したことなどから「権限の乱用であって、違法であれば損害賠償請求権の行使を含めて法令に基づく措置を講じることはあり得る」と指摘した。

 国は国家賠償法などに基づき、知事が権限を乱用して撤回などを行って工事が中断した場合、損害賠償を請求することなどを想定する。国は撤回への対抗策として執行停止を裁判所に申し立てる予定で、認められるまでの間は工事が中断される見込み。そのため、人件費や機材リース代、警備費用などの賠償を求める考えだ。

 県内では、米軍北部訓練場の過半返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対して抗議行動に参加する市民を通行妨害禁止で訴え、スラップ訴訟だと問題視されていた。

 菅氏は同時に、撤回による工事の影響について「粛々と進めていきたい」と述べ、知事から「上から目線」と指摘されて2015年4月から会見で使わなかった「粛々」という言葉を使って強調した。

 菅氏は和解条項で裁判の判決に従うことが明記されていたとして、昨年12月の新基地建設を巡る違法確認訴訟で国が勝訴したことなどから「権限の乱用であって、違法であれば損害賠償請求権の行使を含めて法令に基づく措置を講じることはあり得る」と指摘した。

 国は国家賠償法などに基づき、知事が権限を乱用して撤回などを行って工事が中断した場合、損害賠償を請求することなどを想定する。国は撤回への対抗策として執行停止を裁判所に申し立てる予定で、認められるまでの間は工事が中断される見込み。そのため、人件費や機材リース代、警備費用などの賠償を求める考えだ。

 県内では、米軍北部訓練場の過半返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対して抗議行動に参加する市民を国が通行妨害禁止で訴え、スラップ訴訟だと問題視されていた。