辺野古「工事止められる」 護岸着工翌日、市民ら抗議


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 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る新基地建設で26日、沿岸部を埋め立てる護岸工事が25日に着手されたことに抗議し、約150人が米軍キャンプ・シュワブゲート前に集まった。ゲート前での抗議活動中に工事車両の搬入や、砕石の投入作業は確認されなかった。

海上に投下された砕石=26日午後1時24分、名護市辺野古(小型無線ヘリで撮影)

 「K9護岸」建設予定地付近の浜辺では、作業員約10人が車両を用いて砕石の入った袋を投入作業で使うクレーン車の付近に運搬する様子が確認された。同護岸建設作業の一環とみられる。シュワブ内では砕石を袋に詰める作業も確認された。作業員らはショベルカーやクレーン車を用いて砕石を袋に詰め、基地内の広場に次々と積み重ねていた。25日にクレーン車で予定地に投入した5つの袋に入った砕石も確認できた。波打ち際の付近に投入された砕石は、潮位が低くなる時間帯に浜辺に姿を現してていた。

 一方、ゲート前では、護岸工事着手の各紙報道で「原状回復は困難になる」と報道されたことに対し、「政府のパフォーマンスだ」「まだ工事は止められる」とする声が相次いだ。

護岸工事に使用する砕石が並べられている米軍キャンプ・シュワブ=26日午前11時51分、名護市辺野古(小型無線ヘリで撮影)

 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表(70)は、報道で「原状回復が困難」というキーワードが出たことについて「ああいう言葉を使うことが政府の狙いだ。報道を使って県民に諦めさせようとしている。まだまだ止められる。粘り強く闘い、沖縄の海を次の世代に残していかないといけない」と強調した。

 名護市辺野古に住む當山佐代子さん(71)は「ゲート前に人が集まるのはみんな諦めていないからだ。こういうことの繰り返しがもう21年にもなる。みんなが恐れもせず座り込んでいる限り、諦めたことにはならない」と強い口調で語った。

◇護岸工事の即時中止を民医連が抗議声明

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古での新基地建設を巡り、沖縄防衛局が25日に護岸工事に着手したことを受け、全日本民主医療機関連合会(藤末衛会長)は26日、「違法で民意合意のない工事」の即時中止を求める抗議声明を出した。

 同連合会は、県民の新基地建設反対の意思が繰り返し表明されてきたにもかかわらず、政府は強引に工事を進めるだけでなく、岩礁破砕許可を更新しないまま工事を続けるなど「法令違反まで犯した」と批判。工事の着手に断固抗議し、即時中止するよう訴えた。