県内の2015年度国税徴収額(徴収決定済額)が3508億円と過去最高を記録し、初めて3500億円を突破した。同年度の内閣府沖縄関係予算3392億円(補正後)を上回った。他省庁分を除き、国から沖縄に入る予算よりも沖縄から国に納める税金が上回る「支払い超過」となった。支払い超過は、1972年の復帰以降、9回目。また国税徴収額の最新値が公表されている15年度を含む過去10年度分の統計を見ると、うち6年度分で国税徴収額が沖縄関係予算を超えている。
沖縄関係予算を巡っては基地問題に絡めた「リンク論」もしばしば取り沙汰されるが、近年は沖縄から国に支払われた税額の方が大きくなる傾向が出ている。足腰の強い自立経済が出来上がってきたとも言えそうだ。
沖縄国税事務所の15年度国税徴収額は3508億1300万円で、前年度から10・6%(337億2300万円)の増加となった。
全国12都市に置かれた国税局(沖縄は国税事務所)が徴収する「局引き受け分」を除いた分で、15年度の都道府県別の国税徴収額を比較すると、沖縄は3455億2300万円で全国29位と、おおよそ中位にある。
15年度の国税徴収額が過去最高に達したことについて、沖縄国税事務所は「分析はしておらず確固たることは言えない」と前置きした上で、「長期的要因としては物価の変動が挙げられる。また短期的には県や沖縄総合事務局が分析しているように、観光や建設関連業種の売り上げが伸びていることも要因かと推察される」とした。
琉球新報のまとめによると、沖縄が日本に復帰した1972年度から2015年度までの間、県内の国税徴収額が内閣府沖縄関係予算を上回ったのは1990年度、91年度、2005年度、06年度、07年度、09年度、10年度、11年度、15年度。16年度の国税徴収額は未公表。
(島袋良太)