「好機だ」「遅い」 抗議市民、歓迎と不満 辺野古きょう「撤回」


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名護市辺野古の沿岸部で進む護岸工事=26日午後

 【辺野古問題取材班】翁長雄志知事が27日に埋め立て承認撤回を表明する見通しとなった。新基地建設が進む名護市辺野古や土砂搬入が続く本部町の港で抗議する市民は26日「軟弱地盤など新基地の構造的問題もこの間に指摘された。良いタイミングだ」「遅い。やっとか」など、歓迎と不満の声が交錯した。

 新基地建設への資材が搬入される名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、市民約70人が座り込み抗議した。大城博子さん(67)は午後3時ごろ、ゲート前にいる知人から知事が承認撤回の表明すると聞いた。「これまで知事をずっと支持してきたが、不安に思うこともあった。撤回によって県民が心を一つにして、政府に新基地建設反対の姿勢を示すことができる」と期待した。

 抗議に参加したヘリ基地反対協の仲本興真事務局長(70)は「去年から撤回を求める声があったが、現在までに大浦湾の軟弱地盤や活断層などの問題が出てきた。撤回はこのタイミングで良かったと思う。撤回は次なる闘いの始まりだ。県民で知事を支えていきたい」と話し、翁長知事の判断を評価した。

 本部町の本部港塩川地区では、新基地建設に用いる土砂搬入が続いている。主婦の石原艶子さん(76)=うるま市=は「遅いくらいだ」と不満を口にしたものの、埋め立て承認の撤回に工事阻止の希望を抱く。政府が、県の撤回を違法として提訴することについて「工事はしばらく中断するかもしれないが、次の手も考えなくてはいけない」と訴えた。