米軍基地跡地利用で独調査へ ハンブルク大と共同で琉球大研究チーム クラウドファンディングで資金募集


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クラウドファンディングへの出資を呼び掛ける琉球大学「駐留軍用地跡地利用研究チーム」のメンバーら=琉球大学

 沖縄とドイツにおける駐留軍基地返還跡地利用について比較研究を行う、琉球大学の社会科学系学生6人と教員2人で構成された「駐留軍用地跡地利用研究チーム」が、9月に予定しているドイツでの現地調査に必要な費用をクラウドファンディング「YUIMA(ユイマ)」で募集している。代表の根波朝崚(ともたか)さんは「住民の声に寄り添い、地域で快適に暮らしながら発展していけるような基地の跡地利用について、私たち学生から考えていきたい。多くの人に跡地利用について考えてもらうきっかけにもなれば」と意気込みを語る。

 募集期間は8月20日までで、目標額は学生らの渡航費や現地での調査費用、研究成果の展示会開催などに必要な55万円。

 ドイツは1990年代ごろまで駐留軍の基地が多く存在し、返還跡地利用の事例が豊富にある。広大な米軍基地を抱え、今後さらに返還跡地の利用が見込まれる沖縄では、那覇新都心地区や金武町などの基地の跡地で行政主体の経済活動を目的とした再開発がこれまで進められた。

 研究チームは、住民が主体となったドイツの跡地利用について学び、沖縄で生かすことを目指し今年からハンブルク大学と共同で研究を進めてきた。ドイツでは返還地管理に住民や行政、企業などの仲介役となるシステムが存在し、住民の意見を重視した開発が行われている。現地調査で、このシステムに関わる職員や住民への聞き取り調査に取り組む予定だ。

 学生らは「どのような土地利用が沖縄の発展と暮らしに最善なのかを考えたい」「住民の納得できる計画が進められていくよう主体性の重要さを発信したい」と抱負を語った。

 出資額によって、研究展示会の入場券や資料冊子、ドイツクラフトビール専門店Wolfbräu(ウォルフブロイ)=那覇市首里=のビールやグラスなどの特典がある。問い合わせはrkpajako2019@gmail.com

 クラウドファンディングの詳細はhttps://yuima-okinawa.jpで確認できる。
 (下地陽南乃)