コラム「南風」 海外から見た日本と沖縄 その2


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 よく「日本はすごい」「日本のこれは世界一だ」とうたっている人たちを見るけど、そういう人たちに限って国外に行ったことがなく、自国の中からの視点でしか見たことがない人たちばかりです。そりゃあ自分の国ですから自慢したいのは当然ですし、プライドは持つべきです。ただそれで温床に浸り、進化思考を鈍化させることは間違っていると思います。

他国は競争意識を持って前に進み続けた結果、日本に肉薄する技術力を既に手に入れています。80年代は「ジャパニーズ・エフィシエンシー」という言葉がアメリカでもうたわれていたくらいですが、今では「日本の家電企業のようになるな」とシリコンバレーで言われています。メディアも自国自賛の都合の良い情報ばかりではなく、こういった事実も指摘し、問題点を解決するのがベストだと思いますが。
 日本からはめったに革命的な進化を促す創造主が出現しません、と言うかそういう人はなぜか批判を浴び、つぶそうとする圧力が出てきます。元ライブドアの堀江貴文さんが良い例ですね。素晴らしい革新者なのに前例がない、という理由で新しいことができない、受け入れないのはなぜでしょう? 前例がないことを創るから楽しいし面白い。昔はソニーの新製品が出るたびにみんなワクワクしていたけれど、今はどうでしょう。
 余談ですが、11月21日に待望のファイナルファンタジー最新作「ライトニングリターンズ」が発売されます。この作品のメーン作曲家の浜渦正志さんが書いた楽曲の編曲を僕が担当し、VGOを使いボストンで録音しました。FFという全世界で有名なゲームの音楽に沖縄人が関わるのは前例がないことですし、こういった音楽の道もあるということを、音楽を目指す沖縄の若い人々に知ってもらえたらうれしいですね。
(仲間将太(なかましょうた)、音楽プロデューサー ギターリスト)