沖縄貧困率29%、全国最悪 07年山形大調べ


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貧困率の推移

 2007年の沖縄の貧困率は全国ワーストの29・3%に上ることが14日までに分かった。全国平均14・4%の倍に当たる。山形大学人文学部の戸室健作准教授による都道府県別貧困率調査で明らかになった。働く貧困層「ワーキングプア」の割合も20・5%とワーストで、全国平均6・7%の3倍となった。

生活保護基準以下の世帯のうち、保護受給世帯数の割合を示す捕捉率は9・8%で、全国平均の14・3%を4・5%下回った。
 同調査は1992年から2007年にかけ、5年ごとの値を算出した。結果からは、1998年を境とした正社員数激減や99年の派遣法改正といった労働環境の悪化を受けながら貧困率などが悪化してきた全国と異なり、各指標が恒常的に高水準でとどまってきた沖縄の特殊性が浮かび上がる。
 沖縄は高貧困率の一方、生活保護捕捉率は9・8%と1割にも満たない。常に高貧困率で低捕捉率という、国内でも最も深刻な地域の一つとなっている。
 厚労省による最新の貧困率は16%(2009年調査分)、子どもの貧困率は15・7%。戸室准教授によると、都道府県別ワーキングプア率の調査は初。都道府県別貧困率の推移を1990年代初頭から2000年代にかけて解明した調査としても初となった。
英文へ→Okinawa has highest poverty rate in Japan