大型で非常に強い台風8号は8日、沖縄本島地方、久米島地方、宮古島地方、石垣島地方を風速25メートル以上の暴風域に巻き込んだ。沖縄気象台は7日に発表した本島地方と宮古島地方の暴風波浪特別警報を継続、新たに8日、両地方に高潮特別警報、那覇市など14市町村に大雨特別警報(土砂災害)を発表した。
最大瞬間風速は渡嘉敷村で53メートル(午後1時58分)を観測した。午後6時に最大10万7300戸が停電した。20市町村が59万8651人(24万8319世帯)を対象とした避難勧告を出した。約半数もの市町村が避難勧告を出すのは初めて。避難所145カ所が設けられた。午後9時までに少なくとも、県内36市町村で1231人が避難した。9日午前0時までに35人が重軽傷を負った。
各消防本部や県防災危機管理課によると9日午前0時現在、9市8町村で男女35人が風で転倒するなどして重軽傷を負った。浦添市と沖縄市では、男性2人が強風でドアに手を挟み、指を切断する重傷を負った。
宮古島地方には暴風・波浪特別警報が7日午後6時20分に出されていたが、約24時間後の8日午後6時に解除された。本島地方の特別警報は9日午前3時までに解除される見通し。本島地方と久米島地方は9日午前6時までには暴風域を抜ける見込み。宮古島地方と石垣島地方は暴風域を抜けた。県内では9日も強風雨が見込まれ、海にも猛烈なしけ、大しけが残る。強風域の影響は本島、久米島地方で10日まで続く見込み。
8日午後11時10分までの24時間降水量は多い所で国頭村比地の230ミリ、名護市宮里の192・5ミリ、那覇市樋川の190・5ミリ。渡嘉敷村に次いで猛烈な最大瞬間風速だったのは那覇市で50・2メートル(午後2時29分)、南城市糸数で50・1メートル(午前11時11分)。
県内の航空や船舶、バス、モノレールの操業は終日取りやめとなった。那覇空港は終日閉鎖された。
台風8号は8日午後10時現在、久米島の北北西220キロに遠ざかり、非常に強い勢力を維持したまま奄美・九州地方へ向けて時速25キロで進んでいる。