政治

翁長知事の就任あいさつ全文

 12日の県議会本会議での翁長雄志知事の就任あいさつの全文は次の通り。
 ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。
 平成26年第6回沖縄県議会の開会に当たり、提案しております議案のご説明に先立ち、県政運営に関する私の所信の一端と基本的な考え方を申し述べ、議員各位、ならびに県民の皆さまのご理解とご協力をたまわりたいと存じます。
 私は、去る11月16日の県知事選挙において、有権者多数の支持を得て当選いたしましたが、本議会に臨み、142万県民の知事として、その責任の重さにあらためて身の引き締まる思いであります。
 県民の皆さまのご期待に添うべく、全力で県政運営に取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、これまで、私たちは、自ら持ってきたわけではない「基地」を挟んで「経済」か「平和」かと厳しい選択を迫られてきました。しかし、社会情勢の変化とともに、これらは両立し得るものとなってまいりました。
 私たちは、「経済と生活」「平和と尊厳」を県民一人ひとりが手にすることができるようになりました。このことをしっかり自覚した上で、「誇りある豊かさ」を求める沖縄県民の意思を明確に示さなければなりません。
 こうした考えの下、私は、議員各位、ならびに県民の皆さまと心を一つにし、県政運営に力を尽くしてまいる所存であります。
 県政運営に当たりましては、沖縄が持つ地域力、文化力、伝統力、人間力、自然力、離島力、共生力、経済力など、国内外の多くの人々を魅了する大いなる可能性を秘めたソフトパワーで沖縄の未来を拓(ひら)いていくことが重要であると認識しております。
 私は、こうした県民の誇りの上に沖縄経済や社会が成り立つ「誇りある豊かさ」を手にしていくことが今後の沖縄が目指すべき姿だと考えます。
 このような認識の下、県民の英知を結集してつくられた沖縄21世紀ビジョンで示された将来像の実現を目指して、うやふぁーふじ(先祖)から受け継いだソフトパワーを生かし、3つの視点から、沖縄を拓き、うまんちゅの笑顔が輝く沖縄を創りあげてまいります。
 一つ目は、沖縄の「経済」を拓く―経済発展プラン―の視点であります。
 経済振興につきましては、成長著しいアジアのダイナミズムと連動した「アジア経済戦略構想」を策定し、国際物流拠点の形成をはじめ、情報通信関連産業、観光リゾート産業の振興などのリーディング産業の拡充、強化を進め、沖縄の経済をさらに発展させてまいります。
 空手・古武道、組踊などの文化資源を守り育てながら観光資源化を図ってまいります。
 健康・医療分野、環境・エネルギー分野では、沖縄の地域特性を生かした産業の集積を図ってまいります。
 農林水産業につきましては、亜熱帯気候を生かした沖縄ブランドの確立や6次産業化などを図ってまいります。
 中小企業など地場産業の活性化を着実に進めつつ、沖縄の優位性を生かした新たなビジネスの動きについてもしっかりと捉えながら、広範な経済発展施策を展開してまいります。
 二つ目は、沖縄の「幸せ」を拓く―生活充実プラン―の視点であります。
 人と人とを結ぶ絆は、協働のまちづくりの礎となります。私は、こどもや高齢者の笑顔が輝き、女性や障がいのある方などの力が正しく生かされる活気に満ちた幸せ感あふれる社会を創り上げてまいります。それぞれの地域の宝を大切にしながら、そこに関わるすべての人々が尊重される生活充実施策を展開してまいります。
 こどもの貧困対策や待機児童の解消などに取り組み、こども環境・日本一の実現を目指すとともに、女性が輝く社会づくりや女性リーダーの育成などに取り組んでまいります。
 また、若者が希望を持てる社会を目指し、格差社会などの課題の解決に取り組んでまいります。
 少子高齢化社会を見据えた、健康・医療・福祉政策を実行するとともに、きめ細かな教育指導ができる少人数学級の導入の推進など教育施策についても力を尽くしてまいります。
 離島・過疎地域につきましては、県民全体でこれらの地域を支える仕組みを構築しながら、定住人口の増加につながる生活環境の整備や産業振興など各種施策を展開してまいります。
 三つ目は、沖縄の「平和」を拓く―平和創造プラン―の視点であります。
 今、過重な基地負担に立ち向かうことができるのは、先人たちが土地を守るための熾烈(しれつ)な「島ぐるみ闘争」でウチナーンチュの誇りを貫いたからであります。私は、基地の整理縮小を加速化し、豊かな生活に導く土地活用を図るとともに、近隣諸外国との平和交流を促進する平和創造施策を展開してまいります。
 私は、日米安全保障体制の必要性は理解しております。しかしながら、戦後約70年を経た現在もなお、国土面積の約0・6%である本県に約74%の米軍専用施設が存在する状況は、異常としか言いようがありません。そして、その米軍基地が沖縄経済発展の最大の阻害要因であることは明確であります。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきであります。
 このような基本認識のもと、私は、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるとともに、騒音問題や米軍人軍属による犯罪など米軍基地から派生する諸問題の解決に取り組んでまいります。
 普天間飛行場の辺野古移設問題につきましては、この度の県知事選挙の結果を受けて、公約の実現に向けて全力で取り組んでまいります。国においては、現行の移設計画をこのまま進めることなく、わが国が世界に冠たる民主主義国家であるという姿勢を示していただきたいと思います。
 この問題につきましては、埋め立て承認の過程に法律的な瑕疵(かし)がないか専門家の意見も踏まえ検証いたします。法的瑕疵があった場合は承認の「取り消し」を検討してまいります。
 私は、建白書の精神に基づき、県民が心を一つにし、共に力を合わせて、国内外に向けた働きかけを行っていくことが、基地負担軽減の実現につながるものと考えております。この問題の解決のため、県民の皆さまと力を合わせて全力で取り組んでまいります。
 以上の基本的考え方に基づき、私は、県政運営に関し、多くの公約を掲げました。未来を担う子や孫のために、「誇りある豊かさ」をいかに創りあげ、引き継いでいくか。県民すべてが生き生きと活躍できる協働のまちづくりの理念を大事にし、職員と一丸となって、その一つ一つの実現に邁進(まいしん)する覚悟であります。
 最後となりましたが、以上申し述べましたことに対し、議員各位、ならびに県民の皆さまには、ご理解とご協力を賜りますよう、重ねて衷心よりお願い申し上げ、私の知事就任あいさつとさせていただきます。
 イッペーニフェーデービル。
平成26年12月12日
沖縄県知事 翁長雄志