「死んだら連絡する」 現場の海上保安官発言


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 【辺野古問題取材班】名護市辺野古への新基地建設で28日、大浦湾で市民の抗議船が転覆した際、救急搬送された男性について当日の現場責任者とみられる海上保安官が「死んだら連絡する」「溺死になる」と発言していたことが30日分かった。

複数の市民が確認している。第11管区海上保安本部の広報担当者は「そのような事実は確認できていない」と述べた。発言の真意は明らかではないが、市民らは「命に関わることを根拠に基づかず口にした」と怒りの声を上げた。
 転覆した船に乗っていた片岡希望さん(19)=同志社大学2年生=は拘束されていた海上保安庁のゴムボートで、搬送された男性の容体を海上保安官に尋ねた際、保安官が「意識不明らしいぞ。死んだらまた連絡する」と答えたという。片岡さんは「人の命に関わることを軽々しく口にして驚いた」と憤った。
 弘田孝明さん(41)=大阪府=と後藤ジョオさん(22)=名護市=は監視取締艇・むりぶし上で拘束されていた際、同じ保安官から発言を聞いた。保安官は「(搬送された男性が)やばい。溺死したかも。意識不明だ」と述べた。弘田さんによると、険しい表情だったという。翌29日、この保安官に市民らが発言を問いただしたところ、返答しなかった。後藤さんは「ばかにしていると感じた」と話した。
 緊急搬送された男性によると、転覆後、海上保安庁のゴムボートに引き上げられた。呼吸がしづらく受け答えできない状況だったが意識はあったという。男性の意識を確認した保安官が「意識はある」と話し、別の保安官と連絡を取り合う様子を覚えているという。
 辺野古海域での抗議行動を取り締まる海上保安官をめぐっては3月4日、抗議船の船長に「腐れナイチャーや」、4月15日にはカヌーで抗議する市民に「(臨時制限区域内から)出て行け、犯罪者」との発言が確認されている。
英文へ→JCG officer: “If a protester dies, I’ll let you know”