自民党と連立政権を組む公明党が米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を容認する中、公明党の地方組織である沖縄県本部は党本部と一線を画し、新基地建設反対の姿勢を貫いている。稲嶺県政時代の2000年に移設容認の立場で与党入りしたが、09年に民主党の鳩山政権が「県外」を掲げた後、移設反対を鮮明にした。県本の金城勉幹事長は「新基地建設に反対する県民の思いを最優先することが大切だ。この立場はこれからも堅持し続ける」と揺るぎない決意を示した。
17日の県民大会には党としては参加しないが、前日の16日午後4時には那覇市のパレットくもじ前で独自の演説会を開き、新基地建設反対を訴える。
公明党県本が何より大切にするのは、辺野古新基地建設に反対する県民の思いだ。「戦後70年、県民は過重な基地負担にあえぎ、苦しんできた。その現実を目の当たりにしたら、これ以上の基地負担は勘弁してほしいというのが率直な気持ちだ」と思いを語る。
党本部と姿勢が異なることについても「県民の立場に立てば党本部が容認しているからといって、県本が『はいそうですか』と辺野古移設を受け入れるわけにはいかない」と力説する。
一方、辺野古移設反対の考えは単に感情的な問題ではないことも強調する。辺野古移設に関しては2013年に県本で独自に調査し、政府が掲げる抑止力や地理的優位性の維持に根拠がないことを示した上で、前知事に辺野古埋め立て申請の不承認を求める提言書を出した経緯もある。
「辺野古移設が唯一の解決策だとして、他の解決策の模索を放棄しているのは『政治の不作為』でしかない」と政府の姿勢を批判し「新基地建設で今後100年も沖縄に過重な負担を押し付ける。こんな理不尽なことがあっていいのか」と訴えた。
16日の演説会については、県民大会には参加しないが「辺野古移設に反対する思いは同じ」だとし「平和の党として、辺野古移設は絶対に許せないと県民に伝えたい。県民に寄り添い、県民と共に歩みを運ぶための会としたい」と力を込めた。(外間愛也)