<金口木舌>米国の言いなり

 「日本は米国の言いなりだろう。独立してもそんな国では駄目だよ」。3年前に埼玉県で取材したクルド人の男性が言った。クルド人は中東4カ国に分断された地域で暮らす。「国を持たない最大の民族」といわれる

▼男性が日本で開いたケバブ店は、クルド人たちが交流する場になっていた。彼らは母国でも日本でも少数派として不安定な立場に置かれている。「自分たちの国を持つことは私たちの夢だ」と話していた
▼日米貿易協定が1日に発効した。米国が日本車に25%の追加関税を課すことは避けられたが、日本車への関税そのものは撤廃されない。一方で日本は米国産農産物への関税を撤廃・削減する
▼昨年発効した環太平洋連携協定(TPP)に比べ厳しい内容で、政府は二つの協定による影響で国内の農業生産額が1200億~2千億円減少すると見込む。日米交渉で米側がちらつかせた追加関税はWTO違反との指摘がある。政府はトランプ大統領の脅しに屈した
▼米国に追従し続ける日本は独立国と言えるだろうか。「長いものには巻かれろ」という言葉もあるが、巻かれていては己の行く末も分からない
▼「鶏口となるとも牛後となるなかれ」ということわざがある。強大な者に隷属するよりも、弱小でも重んじられる方がいい。国を持たないクルド人が独立国を語る言葉に、通じるものを感じた。



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス