<金口木舌>自立ってなんだろう

 小学生の頃、客室乗務員の訓練生が厳しい上司に指導されながら一人前になる姿を描いたドラマ「スチュワーデス物語」に夢中になった。1980年代前半に放送され高視聴率を記録した

▼80年代から90年代にかけドラマをよく見た。働く女性の物語が印象的だった。ドラマに感化され、経済的に安定し、課題を自力で解決できる人が自立した大人だと思い込んでいた
▼就職し、福祉の取材を通して「自立」のとらえ方が変わった。車いすを使いながら、障がい者の生活支援団体を運営する女性の「自分の意思で選択できる力が自立なんだ」という言葉にはっとした
▼きょうから始まる三連休期間中、県内各地で成人式が開かれる。新成人は周りの大人から「もう大人なんだから」「早く自立しなさい」と言われがちだ。自分で頑張らねばと思う人がいるかもしれない
▼居場所を失った中高生を支援する「Colabo」の仁藤夢乃さんは自立について「一人で何でもできるようになることではなく、人の力を借りたり、誰かに力を貸したりしながら生きていくこと」と説く。自力で歩くことだけが自立ではない
▼コロナ禍で多くの市町村が成人式の規模を縮小する。思わぬ事態に落胆する人もいよう。社会に出れば試練は増えるだろうが、自力に限界を感じたとき「助けて」と言葉にするのも自立の一つ。そのことを新成人に伝えたい。



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