<金口木舌>ぬくもりは今も

 中学の頃、母親が入院した。当時の担任は給食を余分に確保し、毎日持ち帰らせてくれた。わが家は後に生活保護を受けるような経済状況で、給食は命綱。現在は食中毒予防のため、持ち帰りはできない

▼新型コロナウイルスは依然収束が見通せず、その影響は1年近く生活に直撃したままだ。新たな波が押し寄せる度、休校措置も出される。宮古島市では28日から再び幼小中が一斉休校となった
▼受験シーズンの最中、学びの機会への影響を最小限にするため、奔走する関係者も多いだろう。一方、食事の確保に給食の比重が大きい家庭には、休校は死活問題だ
▼おきなわこども未来ランチサポート(実施主体・琉球新報社、おとなワンサード、日本郵便沖縄支社)は県内の子どもたちに食事支援を続ける。26日付の本紙連載「南風」で、発案者の富田杏理ワンサード代表が実施までの経緯を書いている
▼多くの企業が「子どもたちのために」と食品を無償提供し、子ども食堂や社会福祉協議会などを通じて県内全域に届けられる。ランチサポート以外にも同様の取り組みは広がる
▼中学時代、透明なビニール袋に入った米やおかずは冷たかったが、恩師の思いやりを忘れられない。当時と比べ、提供される今の食料には、子どもでも簡単に温め直せる品も多い。支援はまだまだ必要だ。届いたぬくもりが冷めることはない。



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス