<金口木舌>健康こそ資本


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 スッチー(客室乗務員)に半ドン(半日休日)、アベック(ふたり連れ)。テレビの情報番組で懐かしい言葉として紹介されていた。その中に「24時間戦えますか」もあった

▼1980年代後半、栄養ドリンクの宣伝で広がったフレーズで、寝る間を惜しんで働くサラリーマンの姿を映し出す。がむしゃらに働くことが会社の利益向上につながるとの意識もあったはず
▼「24時間戦う」と言えば新聞記者はその代表格。事件や事故が発生したら真夜中でも早朝でも現場に駆けつける。生活は不規則になりがちで、健康診断で「あなた早死にするよ」と警告され、生活改善に取り組んだ記者もいる
▼沖縄労働局によると、定期健康診断で異常を指摘される労働者の割合が沖縄は9年連続で全国ワースト。65歳未満の死亡率が全国平均を上回るという厚労省のデータもある
▼働き盛り世代の健康を守るため、社員が健康的に働くことが会社の生産性向上につながるという健康経営に注目が集まる。県は働き方改革の一環として、部下の定時退庁を促すなどした所属長を「イケ!ボス」に認定する
▼「24時間戦う」は過去のもの。栄養ドリンクのフレーズは「24時間戦うのはしんどい」に変わり、今では「元気に頑張る人」の背中を押す。仕事だけではなく、家事も子育ても趣味も楽しむ、多様な一日を過ごした方がいい。