<金口木舌>子どもたちの声を絶やさずに


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 幼少期の夏休みは祖父母が住む今帰仁村で過ごした。海や山が近くにあって、いつも自然の中で遊んだ。地域のつながりも強く近所の大人が親類のような存在だった

▼子育てをする立場になって、かつて過ごした環境の素晴らしさに気づいた。自然から学ぶことは多く、心身共に成長できる。地域の支えがあれば育児の不安や悩みも乗り越えられるはずだ
▼少子化の影響で2020年までの10年間で小中学生が100万人近く減少した。都市に人口が集中し、過疎化が進む地域では休校する学校もある。少子化対策に加えて地方に人を呼ぶ施策も欠かせない
▼最近は遠隔の仕事や授業が広がり、都市部にいなくても生活できる。地方の自治体が魅力をPRして人口増加につなげる好機でもある。子育て支援などが充実する自治体は県内にも多い。良さが全国に伝わってほしい
▼子どもたちが駆け回る地域は活気がある。学校を中心に住民の交流が深まることもある。子どもたちの笑い声が各地に響くようになれば日本の未来はもっと明るくなる。