<金口木舌>あべこべな施策

 ベッドにふせ、今は体の自由もままならない86歳の人もこんな心残りがあるという。「父さんに会いたい」。沖縄戦で亡くし遺骨も戻らない
▼県内の男性も訴えた。「摩文仁に向かう道に面して一家全滅した複数の民家に仏壇がある。その悲痛な訴えに防衛省の職員は耳を傾けて」
▼激戦地となった本島南部は今も多くの戦没者が眠る。そうした聖地を辺野古の新基地建設の埋め立て土砂の調達先に含めてしまうのだから情け容赦ない
▼遺族らが南部を外してと訴えても防衛省職員は同じ答えを繰り返す。「ご遺骨の問題は大変重要であることからしっかり検討する」と。修正すれば建設に影響も出かねないのか。無味乾燥な意見交換会にため息しか出ない
▼2016年3月に戦没者遺骨収集推進法が成立し、遺骨収集は「国の責務」となった。それが6年を過ぎ遺族の思いと裏腹に新基地建設の埋め立て資材にもなりかねないとは。政府で考えが及ばなかったですまない。これほど人を粗末に扱って政治が成り立つのか。あべこべな施策にはあきれるほかない。



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