<金口木舌>意識を変えることから


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 一昔前は記者の世界でも女性が男性警察官の隣でお酌し、ラブソングをデュエットするのが当たり前。他の女性記者が夜回りに行ってキスされた、と耳にしたこともある

▼「仕方ないね」で片付けられ、筆者も同調した。自称「フェミニスト」でも、組織や仕事が絡むと性差別の固定観念にはまっていた。脱却の大切さに気づかされたのは一昨年の取材
▼社会運動に参加し、ハラスメントを受けた女性が被害を訴えた。緩やかな組織は、企業と異なり規則もなく、被害が表面化しづらい。女性は体質を変えようと、組織のセクハラ防止策の本気度を繰り返し問うた
▼ジェンダー平等の社会に向け、変えていくべきは私たち自身の意識でもある。昔から男の子は「勇敢に」、女の子は「かわいらしく」。そう育てられ、性の固定観念に縛られてきた。「自分らしさ」を生きることでいいのに
▼個人の意識が変わらなければ組織も社会も変わらない。女性蔑視の意識は一昔前のことと言い切れるのか。差別を生まない仕組みづくりが求められている。