<金口木舌>”留学”が人口減対策に

 留学生は海外から、というのは時代遅れかもしれない。全国各地からの「留学生」を受け入れているのが久米島町だ

▼きっかけは島で唯一の高校である久米島高校の園芸科の廃止問題。2009年、定員割れが続いていることを理由に、県教育委員会が廃科を持ち出してきた。8千人程度の人口が毎年100人ほど減り続けている町で「人口減に拍車がかかる」と懸念が広まった
▼日本創成会議が発表した「消滅可能性都市」で、40年までに20~39歳の女性の人口が5割以上減少すると推定される自治体の一つに挙げられた久米島町。園芸科がなくなれば、子どもの島外進学とともに多くの家族が島を離れることが予想された
▼行政や商工会、地域住民などが一丸となって取り組んだのが「久米島高校魅力化事業」だ。豊かな自然や伝統文化、人と人のつながりなど島の魅力をPRするとともに、大学進学を目指す生徒も安心して久米島で学べるよう町営塾も開設した
▼県外の大学に進学する留学生の1人は「地元の人と交流したことで成長できた。成人式はもちろん島に戻ってくるし、将来は久米島のために働きたい」と胸を張る
▼順応性の高い若者たちが島で学び、愛郷心を育む。観光振興だけでは歯止めがかからなかった離島の人口減問題。解決の糸口の一つが「留学生受け入れ」で見つけられるかもしれない。