<金口木舌>責められるべきは酒を飲むことで・・・


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 「責められるべきは酒を飲むことではなく、度を越すことだ」。16世紀のイギリスの法律家で古代法研究の歴史家、ジョン・セルデンが残した酒にまつわる名言だ。だが、お酒が好きな人に「度を越すな」というのはなかなか難しいかもしれない

▼浦添市議会は超党派の議員団が提出した「路上寝防止対策および適正飲酒に関する決議」を全会一致で可決した。県知事と県警本部長に対し、路上寝防止対策と適正飲酒を周知させる活動の推進を求める県内初の決議である
▼決議で掲げたのは飲酒に絡む「3ない運動(深酒しない、路上寝しない、未成年者に飲酒をさせない)」の推進。未成年者に飲酒させないのは当然だが、大人が適量を超して酒を飲んでしまうことはままある
▼睡魔に襲われて路上で寝たら命に関わる。過去に死亡事故にも発展している路上寝は増加傾向にある。2017年度の県内の路上寝の通報件数は7016件で、07年の4557件と比べ約1・5倍増えた
▼路上寝は盗難被害や交通事故などの事件・事故に発展する恐れがある。道路だけではない。駐車場などで人が寝込んでいるのを見つけて、ひやっとしたドライバーも多いはずだ
▼「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」は広く周知されているが、「飲んだら路上で寝るな、路上で寝るなら飲むな」も心掛けたい。被害者も加害者も増やさないために。