<金口木舌>台風6号の影響で延期が相次ぐが・・・


この記事を書いた人 琉球新報社

 台風6号の影響で延期が相次ぐが、きょう17日は、県内各地で爬龍船(はりゅうせん)競漕(きょうそう)が行われる旧暦5月4日(ユッカヌヒー)。豊見城がハーリー発祥の地として有力だということはあまり知られていない

▼14世紀の豊見城城の城主だった汪応祖(わんおうそ)。中国・南京に留学した際に龍船による競漕を見て感銘を受け、沖縄に持ち帰ったとされる。豊見城城内の拝所・豊見瀬御嶽でハーリーの神事をしたことや、干ばつ時に王府が豊見城ノロに雨ごいの祈願をさせたことなどの記録がある
▼2015年創立のゆたか小学校は昨年、学芸会で初めて創作劇「ハーリー由来物語」を披露した。劇を演じるに当たり、児童らが読み込んだのが、同市の「青年部まちづくりの有志の会」が03年に制作した絵本「豊見城の王様わんおうそ ~ハーリー由来物語」
▼児童らは豊見瀬御嶽の神事などを再現し、保護者や地域の人から拍手喝采を浴びた。地域に誇りを持ってもらいたいとの有志の思いが結実した
▼「先人たちが残した文化をこれからも大切にして」。劇を創作した教員たちに豊見城の歴史について講習した豊見城龍船協会の赤嶺秀義事務局長は目を細める
▼創作劇を通してハーリーの由来を追体験し、五感を使って地域への誇りを高めた子どもたち。地域と学校の双方向の連携・協働が、沖縄の未来を担う子どもたちの教育の幅を広げている。