<金口木舌>「またか。いい加減にしてくれ」・・・


社会
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 「またか。いい加減にしてくれ」という憤りと、諦めさえ感じる。自民党の二階俊博幹事長が「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」と発言した

▼「皆が幸せになるため、子どもをたくさん産み、国も発展していこう」とも。出産や育児、結婚というプライベートな問題に、「勝手な」持論を押し付ける政治家の発言は枚挙にいとまがない
▼5月には加藤寛治衆院議員が新婚夫婦に3人以上の出産を呼び掛け、若い女性に「結婚しなければ子どもが生まれないわけですから、人さまの子どもの税金で老人ホームに行くことになる」と述べた。大きなお世話というものだ
▼戦前の「産めよ増やせよ」を想像させる「国のため」にという言葉。根底にあるのは性差別と全体主義だろう。こんな発想の議員らの下で女性活躍や少子化対策、教育、福祉の政策がこの国で進められている
▼海を越えたニュージーランドでは、同国3人目の女性首相アーダーン氏が第1子を出産。「小さな子どもたちがどのような家庭を築き、どんなキャリアを積んでいくか、希望に基づいて選択できる未来になることを期待する」と述べた
▼主夫となるパートナーの横で長女を抱き、笑顔を見せるリーダーの姿は美しい。日本との違いにため息をつきながら、女性や子どもたちが一つの生き方を強要されない社会の幸せを考える。