<金口木舌>土俵際まで追い込まれたが、粘っ・・・


社会
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 土俵際まで追い込まれたが、粘った。サッカーW杯で日本代表はポーランドに敗れはしたものの、勝ち点で並んだセネガルより反則のイエローカードの枚数が少なく、決勝トーナメントの切符をもぎ取った

▼負ければ2大会連続の予選敗退が濃厚だった。格上のポーランドはドイツ・ブンデスリーガの得点王を擁する強豪。日本は後半から終始押され、先制点を許した
▼4年前なら気持ちが切れたかもしれない。今回はそこで崩れず、追加点を与えなかった。決勝T進出が視野に入るとボール回しで時間を稼ぐ。評価は分かれるところだが、ブーイングを浴びながらも目標実現に徹した
▼前監督の解任劇や若手有力選手の不選出など、大会前には疑問や批判が噴出した。「盛り上がらないW杯」と評され、開幕前に決勝T進出を予想した専門家やメディアはほぼ皆無だった
▼圧倒的不利とされていた中で見せてくれた献身や忍耐力、戦略の遂行能力―。個々の力で劣っていても決して諦めずに支え合い、励まし合いながら目標を実現させる団結力はどの組織にも、どの活動にも見本になるはずだ
▼次の対戦相手はベルギー。サッカーの王様ペレは「勝利への道が困難であればあるほど、勝ったときの喜びは大きくなる」と語った。決勝T初戦は大きな壁だが、初のベスト8に向け、困難を乗り越える姿を日本中が期待している。