<金口木舌>健康長寿と地域づくり


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 会場は笑いに包まれた。お笑い芸人の舞台ではなく、今帰仁村で開かれた認知症を学ぶ研修会でのこと

 ▼「ワーハッハッハ」と両手をたたき全身を使うラフター(笑い)ヨガに、会場も一体化した。笑いはストレス水準を低くし、免疫力向上や脳の活性化をもたらすという
 ▼地域の理解や連携も健康長寿を支える源だ。先日、健康をテーマにした活動で全国最高賞を受賞した長野県須坂市の例は、地域社会が息づくことの大切さを示した。保健補導員発祥の地で、この自主組織が行政と協働で健康づくりを進める
 ▼減塩による食生活改善や健康体操など地域ぐるみの活動が55年以上も続く。平均寿命日本一の県のゆえんを見る思いがする。一方、県内では名桜大が全国の大学で唯一表彰された。長寿県復活へ一つの挑戦と位置付ける試みが評価されたのだ
 ▼それは伊平屋村での「踊る、話す、盛り上がる」をテーマにした、最先端コンピューターグラフィックス(コンピューターで作った画像)を活用した運動支援。ゆんたくの時間を取り入れた点がユニークと評価され、新たな地域一体参画型と評された
 ▼中心となる学生は毎週末、島に宿泊し交流する。幅広い世代の参加を目指し、他地域への普及も図る。健康と地域活性化双方の創出に期待がかかる。年齢を重ねることが楽しいと感じられる、そんな地域が広がってほしい。