<社説>自治体の産休制度 非正規向けの整備推進を

 産休や育休を取得する自治体の非正規職員は、極端に少ないことが分かった。制度が未整備の自治体も多い。早急に整備すべきだ。

 琉球新報の県内自治体アンケートによると、県や市町村で働く女性の非正規職員のうち、過去5年間で産休を取得した人は正規職員の10分の1に満たなかった。
 育休を取得した非正規職員は正規の約35分の1にすぎない。職員数は非正規が正規の約2倍いるから、利用率ではさらに低くなる。非正規と正規の格差はあまりに大きく、理不尽だと言わざるを得ない。現状の改善は急務だ。
 非正規職員の休暇制度は、臨時や一般職非常勤、特別職非常勤の任用形態によってばらつきがあるが、約4分の1の市町村ではいずれの形態でも産休、育休制度自体がない。検討を急いでもらいたい。
 任期が短く休暇を必要としないような事例も一部ではあるが、アンケートからは産休制度などがないために、妊娠や出産を契機に退職せざるを得ない状況に追い込まれる非正規職員が相当数いる状況がうかがえる。
 自治体こそ率先してこうした制度の整備に取り組んでしかるべきではないのか。総務省も産休や育休などの各種制度を整備していない自治体が多いとして、早急な対応を求めている。現状を放置することは許されない。
 もちろん非正規の産休や育休制度をつくれば問題が解決するわけではない。制度があっても休暇中は無給となる自治体では、無給のまま社会保険料を負担するよりも夫の扶養に入った方がよいとして、退職するケースも目立つという。
 働く女性たちが真に利用しやすいような制度になっているのか。制度を整備した自治体でもその都度検証し、運用面の改善を図っていくことが大切だ。同時に上司や同僚の妊娠や子育てに対する理解など、制度を利用しやすいような職場の環境づくりも不可欠となる。
 男女雇用機会均等法や育児・介護休業法は、雇用主が妊娠や出産、育児を理由に労働者に不利益な取り扱いをすることを禁じている。だが妊娠などを機に退職や不本意な異動を迫られるケースは後を絶たない。
 非正規や正規などの雇用形態の在り方にかかわらず、全ての働く女性が安心して出産や子育てをできるよう、職場の理解を広げていくことから始めたい。



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