<社説>’15回顧 スポーツ さらなる飛躍を期待したい


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 ことしも県勢は多くのスポーツ大会で全国トップレベルの力を発揮した。その活躍に、多くの県民が勇気づられけた。

 小中高校生が各競技で躍動したことを特にたたえたい。ハンドボールでは全国小学生大会で神森が11年ぶり4度目の優勝、全国中学校体育大会の相撲団体では浦添が県勢初優勝を飾った。
 テニスで沖縄尚学高のリュー理沙マリー選手は西里夏子選手との女子ダブルスで近畿総体を、下地奈奈選手と組んでわかやま国体少年女子を制した。
 優勝は厳しい練習を乗り越えた選手、熱心に指導した関係者、支えた保護者らで成し得たことである。敬意を表するとともに、さらなる飛躍を期待したい。
 小中高校生の活躍は県スポーツ界の刺激になるだけでなく、同年代の子どもたちの健全育成にも好影響を与える。大人は「やればできる」を積極的に子どもたちに伝えて励まし、秘めた可能性と能力を引き出し、伸ばしてほしい。
 ゴルフでは新垣比菜さん(興南高)がアマとしてはツアー史上初の3週連続トップ10入りし、プロ野球では県勢過去最多の7人がプロ入りしたことも特筆に値する。
 空手の喜友名諒選手(劉衛流龍鳳会)は全日本選手権男子個人形で4連覇し、プレミアリーグでは通算4度目の世界一に輝いた。金城新、喜友名、上村拓也の3選手(同)はプレミアリーグ沖縄大会男子団体形で2連覇した。
 男子個人形が東京五輪の追加種目に決まれば、喜友名選手の金メダル獲得も十分期待される。来年8月の正式決定を待ちたい。
 レスリングの屋比久翔平選手(浦添工高-日体大)は全日本選手権グレコローマン75キロ級で初優勝し、リオ五輪に一歩近づいた。車いす陸上の上与那原寛和選手(ネクスト)は世界選手権男子400メートルと1500メートルで銀メダルを獲得、リオ・パラリンピック出場を決めた。車いすラグビーの仲里進選手(アディダスジャパン)はパラリンピック日本代表入りが有力視されている。本番では県民そろって応援したい。
 具志堅用高氏の国際ボクシング殿堂入りは明るいニュースだった。県民に夢と希望を与えた不世出のヒーローである。「後輩たちも、どんどん世界に羽ばたいてほしい」。具志堅氏の言葉を子どもたちに贈りたい。