<社説>飛行場跡汚染 原状回復義務を負わせよ

 読谷村の米軍読谷補助飛行場跡地で2014年、基準値を大幅に上回るダイオキシン類や鉛が検出されていたことが分かった。しかもそのまま埋め戻され、2年以上も処理されないままだ。

 国、県、村の三者がいわば「お見合い」をする中、住民の安全が宙に浮いている。まして2年も放置するのは許されない。
 飛行場は返還前もフェンスがなく、誰でも自由に出入りできる場所だった。このため原因者が不明だ。確かに米軍以外が勝手に廃棄した可能性は否定できない。どこが原状回復すべきなのか不明確であることが、責任が宙に浮いた背景にある。
 だが、いかにフェンスがなかったとはいえ、米軍提供施設だった事実は揺るがない。管理権は米軍だったのだから、米軍、もしくは提供主体だった沖縄防衛局が責任を持って浄化するのが筋だ。
 調査はタイヤなどの廃棄物が見つかったのがきっかけだった。調べたのは返還跡地のわずか0・05%程度、それも4カ所に限られる。
 ことは安全に関わる。国が責任を持って今すぐに返還跡地をくまなく調査すべきだ。地中に染み込んだ可能性も考え、地点ごとに深度を変えて調べる必要もある。現場は高台にあり、その下には小学校や商店街、住宅も存在する。下流に流れた可能性も調べるべきだ。
 県や村の対応にも疑問が湧く。県は「公表の義務はない」と言うが、汚染を知りながら住民に知らせないとは、住民の安全を二の次にしたと批判されても仕方ない。まして発覚しても埋め戻し、2年もそのままというのは論外だ。
 もとはといえば日米地位協定の欠陥が原因だ。基地返還の際、米軍に原状回復義務を負わせていない点に問題の根源がある。
 原状回復の義務がないなら汚染物質を放置できる。回復義務があれば返還時に浄化するだけでなく、基地を使っている間の汚染抑制も期待できる。他者が汚染するのを防ぐ責任も意識するだろう。
 そもそも人の物を借りて万一汚したら、きれいにして返すのが当然ではないか。
 ドイツの米軍基地に適用するボン補足協定は、米軍の原状回復義務を明記している。日本政府は、日米地位協定が他国の協定と比べても遜色ないと強弁するが、明らかな偽りだ。国民の生命・安全を第一に考えるなら、日米地位協定を抜本的に改定すべきだ。