<社説>18歳選挙権世論調査 主権者として政治変えよう

 若い人ほど改憲に抵抗感が強く、若者の政治不信が根深いことが明らかになった。

 共同通信社が18、19歳になる人を対象に実施した18歳選挙権の世論調査で、憲法を「変えるべきでない」と答えた人は58%と半数を超えた。日本の政治家を「信用していない」との回答が74%に上った。参院選の投票に「必ず行く」「行くつもりだ」と回答した人は56%にとどまった。
 民主主義の根幹は選挙だ。投票を通じて有権者の意見を政治に反映する。政治に無関心では社会は変わらない。政治について同級生や友人、家族と大いに議論を交わし、1票を投じる権利を行使してもらいたい。政治に疑問や違和感を持つことは大事だ。どうしたら政治を変えられるか。主権者として考え行動しよう。
 70%が日本の政治に不満を持っていることから、政治家たちの言葉や振る舞いが、若者を失望させ、政治で世の中は変わらないと思わせているのだろう。政治不信を拡大させないために、大人も政治に無関心ではいけない。
 夏の参院選で投票に「行かないつもりだ」「行かない」は計12%だった。理由を聞いたところ、「面倒だから」が34%でトップ。次いで「投票したい候補、政党がない」だった。投票で政治に影響を「与えることができる」は59%だった。
 フランスの寓話(ぐうわ)「茶色の朝」は、社会が全体主義に染まっていく姿を描いている。ある国で主人公は、友人が犬を始末した話を聞く。茶色以外の犬や猫を政府が禁止したからだ。批判した新聞も廃刊になる。不安を覚えながらも気にしないようにしていたが、ある朝、手遅れと知る。著者は心理学者フランク・パブロフ氏。茶はナチス初期の制服の色だ。
 「面倒だから」という理由で、政治に参加する権利を放棄すると、手痛い目に遭うということを歴史が教えてくれる。かつて世界が民主主義を破壊して全体主義に覆われたことを忘れてはならない。
 一方、関心の高い政策は、男女ともに「年金、医療など社会保障」がトップで、男性は経済政策を重視している。安倍晋三首相が参院選で争点化を目指す改憲について若い人ほど抵抗感が強かった。
 今後、模擬投票など学校での「主権者教育」に一層力を入れ、政治を身近にする工夫が必要だ。