<社説>知事訪米面談 米世論を喚起する好機だ

 沖縄の民意が米国世論にも風穴を開けようとしている。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に対する解決策を探ろうと、訪米中の翁長雄志知事と米有識者が開いた会議では、一部の出席者から「辺野古推進」の声があったものの、推進を疑問視する意見も出た。

 続く上下両院議員4氏との面談でも沖縄との連携を前向きに表明する議員がいた。
 昨年6月の知事訪米で、米国務省が「辺野古が唯一の解決策」と繰り返したのとは大きな差だ。
 大統領選を11月に控える米国では、新大統領就任まで辺野古問題は棚上げになるとの観測もある。
 辺野古で工事が中断し、米側に政治空白ができるこの時間を活用し、県、翁長知事は米有識者、議員らと連携し、「辺野古移設」の再考を日米両政府に迫るべきだ。沖縄の民意をさらに発信し、米国世論を喚起する好機と捉えたい。
 駐日米大使特別補佐官として移設問題に関わった米ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長ら有識者会議には安全保障、日米関係の専門家8氏が出席した。
 個別の発言は明らかにされていないが、翁長知事によると、辺野古移設が困難であることの認識や「唯一の解決策」ということへの疑問、辺野古以外の代替案につながる発言もあったという。
 議員との面談では、トム・コール下院議員(共和党、オクラホマ州選出)が1990年代に米軍が撤退したフィリピンなどを例に挙げ「日本政府が要請すれば変更の可能性がある。日本政府が解決策を出せば、それを尊重するよう(米)政府に働き掛ける。沖縄にとって平等な解決策が出ることを期待したい」と辺野古に代わる案があれば、支持する意思を示した。
 昨年の訪米で辺野古への新基地建設が難しい、前に進まないという知事の言葉を「誰も信用しなかった」(翁長知事)ことに比べれば、大きな前進と言える。背景には新基地建設に反対する知事の一貫した姿勢や、それを支持する県民の声がある。
 日本政府がいくら「唯一の解決策」と抗弁しようと、工事が中断したことで米国内にも辺野古案に懐疑的な見方が増えてきた証しと言えよう。辺野古は本当に「唯一」と言えるのか。日米政府は真剣に問い直す時期に来ていることを認識すべきだ。



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