<社説>米政府意見聴取要請 県民要求 直接受け止めよ

 辺野古新基地建設問題で県民が何を求めているのか、米政府は直接確認すべきだ。これは自国軍を沖縄に置く米政府の責務だ。

 翁長雄志知事はコクラン米上院歳出委員長との会談で、米軍普天間飛行場返還・移設問題の解決に向け、米政府が県民から直接意見を聞く取り組みを求めた。
 当然の要求だ。日米合意から20年を経てもなお、普天間飛行場の返還が実現していない。その理由を米政府はじかに調査し、政策に反映すべきだ。
 翁長知事は今回、米議会、有力シンクタンク関係者、知日派学者に対し、新基地建設計画に県民が根強く反対しており、実現が困難であることを伝えた。翁長知事の訪米要請行動は2度目である。
 米軍基地問題の解決を訴える沖縄県知事の訪米要請行動は1980年代の西銘順治知事の時に始まった。その後の歴代知事も訪米要請を繰り返し、沖縄の声を米政府や議会に届けてきた。基地がある市町村長も要請に同行した。
 沖縄が多額の費用と労力を費やして訪米要請を重ねてきたのはなぜか。それは日本政府が対米追従姿勢に終始し、県民の声を米側に正しく伝えてこなかったからだ。
 県民が反対する垂直離着陸機MV22オスプレイの配備直前、日本政府が米側に「オスプレイの運用に制約を課すことなく取り得る措置」を提案したことはその典型だ。
 対米追従を続ける日本政府は米軍基地から派生する事件・事故から県民を守ることができない。だからこそ日本政府を飛び越え、基地の重圧にあえぐ沖縄の状況を米国に直接伝えてきたのだ。
 今度は米政府が沖縄の実情を直視すべき時だ。新基地建設に反対する県民の声を聞くべきだ。普天間飛行場や新基地建設予定地の辺野古の美しい海を見てほしい。
 米本国では許されない不条理を沖縄に強いてはならない。普天間をめぐる混乱の当事者であることを米政府は自覚すべきだ。
 さらには米軍が71年も居座り続ける沖縄で起こした人権じゅうりんを反省すべきだ。民主国家を標榜(ひょうぼう)する米国の実像から目を背けてはならない。
 土地新規接収などに反対した1950年代の「島ぐるみ闘争」の最中、沖縄を訪れた米下院軍事委員会が沖縄の意思に背く「プライス勧告」を発した。その愚を繰り返してはならない。人権意識を沖縄でも発揮すべきだ。









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