<社説>安倍政権発足5年 「国難」政治に終止符を

 第2次安倍政権の発足から5年。安倍晋三首相は「これからも国民のために頑張る」と述べた。果たして「国民」の中に沖縄県民は含まれているのだろうか。

 県民はこの間、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する民意を知事選や国政選挙などで、明確に表明してきた。圧倒的な民意をこれまで無視し続けておいて、安倍首相は「これからも国民のために」と言うのである。沖縄のことは念頭にないのだろう。
 安倍首相は2014年2月を起点に普天間飛行場の5年以内の運用停止を約束した。だが、翁長雄志知事の協力が得られないとし、今年2月の衆院予算委員会で断念を表明した。運用停止は埋め立て承認を得るための「空手形」に過ぎなかったことは明らかだ。にもかかわらず、翁長知事に責任転嫁するのである。
 11月の日米首脳会談で「辺野古移設が普天間の継続的な使用を回避する唯一の解決策」と確認した。辺野古埋め立て作業開始から新基地の完成までは約10年はかかる。普天間飛行場の危険性を約10年も放置することが解決策になるはずがない。
 安倍政権が5年も続いたことを裏返せば、県民は新基地建設で、安倍政権の強権姿勢に5年もさらされたということである。
 安倍首相は来年9月の自民党総裁選について態度を表明していないが、宿願である憲法改正実現のため、3選を目指しているのは間違いない。有力な「ポスト安倍」がいない現状では、安倍政権が21年秋まで続く可能性が高い。
 安倍首相は12年の政権奪還後も国政選挙で連勝し「安倍1強」体制を築いた。選挙で勝利すれば、安倍政権が信任されたと強弁して、特定秘密保護法や安全保障関連法などを、国民の根強い反対を無視して成立させてきた。先の通常国会では委員会採決を省略し、禁じ手である「中間報告」による本会議採決で「共謀罪」法を成立させた。
 加計学園問題を巡り、野党は6月に憲法規定に基づき臨時国会の召集を求めた。だが安倍首相は3カ月待たせた揚げ句、臨時国会冒頭で衆院を解散した。
 共同通信が11月に実施した世論調査では「安倍首相が3選して首相を続けてほしい」は41・0%。「続けてほしくない」が51・2%で上回った。安倍政権の「おごり」の反映である。
 安倍首相の5年を表す言葉にふさわしいのは「言行不一致」である。「沖縄の気持ちに寄り添う」と述べる一方で、新基地建設に向けた作業を強行している。森友・加計問題での丁寧な審議や、分かりやすい説明の約束はいまだに果たされていない。
 このような不誠実極まる安倍政治があと4年も続くのであれば、これこそ「国難」である。国民の力で終止符を打ちたい。