<社説>内閣支持率急落 「森友」対応に強い不信感


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 森友学園の決裁文書改ざん問題への安倍内閣の不誠実な対応に対する国民の強い不信感の表れである。

 共同通信社の全国緊急電話世論調査で、内閣支持率が38・7%へと2週間で9・4ポイント急落した。不支持率は9・2ポイント増の48・2%となり逆転した。
 内閣の不支持の理由に「首相が信頼できない」を挙げた人は前回比14・9ポイント増の49・5%に上った。森友問題で安倍晋三首相に「責任がある」は66・1%に達した。自民党支持層でも46・4%、連立を組む公明党支持層では「責任がある」が46・5%で「ない」を13・5ポイント上回った。
 安倍首相が「書き換え前の文書を見ても、土地売却に私や私の妻が関わっていないのは明らかだ」としていることに、国民は決して納得していないことの表れである。
 本来ならば更迭すべき麻生太郎副総理兼財務相の進退論を封印することによって権力基盤の維持を図る安倍首相のやり方に、国民は強い拒否感を示したともいえる。
 麻生財務相の責任については「辞任すべきだ」が52・0%で「辞任する必要はない」の40・4%を11・6ポイント上回った。
 だが、麻生財務相は自らの監督責任を自覚せず「理財局の一部で書き換えが行われた」とし、最終的な責任は当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官にあるとの見解を示している。
 官僚に責めを負わせ、政権中枢への責任を回避して逃げ切りを狙うことに重きを置く麻生財務相の意思を、国民ははっきり感じ取っており、辞任を迫っているのである。
 麻生財務相は直ちに辞任すべきだ。居座るならば安倍首相が更迭すべきだ。これが国民の声である。安倍政権がその声を重く受け止めて誠実に対応しなければ、国民の信頼は回復できない。
 森友学園への国有地売却に関し、野党が関与を追及する昭恵首相夫人の「国会招致が必要だ」とする回答は65・3%で「必要はない」の29・0%を大きく上回った。自民党支持層でも「必要だ」は47・8%で「必要はない」の47・4%をわずかに上回った。
 昭恵氏が約8億円値引きされた国有地の払い下げ問題に一切関与していないならば、安倍首相をはじめ、与党は積極的に国会招致に協力すべきである。昭恵氏の証人喚問が実現しなければ、国民は納得しない。政治不信を拡大させることは避けるべきである。
 「首相が退陣すべきだ」は43・8%で「必要はない」の47・6%を下回った。だが、その差は3・8ポイントしかない。
 世論調査で浮かび上がったのは、安倍首相の信頼度低下と、その責任を問う声の大きさである。退陣の「必要はない」がわずかに上回ったとはいえ、安倍首相は国民の厳しい批判を真摯(しんし)に受け止めるべきである。嵐が過ぎるのを待つような姿勢は許されない。