<社説>経済’14回顧 沖縄の優位性発揮しよう

 県内の景気を天気図で表すと、雲はありながら、全体として晴れ間が広がる1年だった。

 4月に消費税が上がり物価が上昇している中で、県経済を先導する観光が好調を維持し、個人消費も堅調だった。国際物流拠点としての可能性も実感させた。一方、課題も浮かび上がった。沖縄の優位性を発揮して経済を拡大する取り組みが必要だ。
 ことしの県内への入域観光客数は初の700万人突破が確実だ。航空路線の拡充や、過去最多のクルーズ船の寄港回数、円安に伴う海外客の増加が全体を押し上げた。国内客も円安で海外旅行を手控える動きもあり沖縄旅行の需要が高まっている。
 海外客をさらに増やすため、ハラル食を提供する取り組みが注目された。イスラム教徒は世界で約16億人といわれる。イスラムの戒律に従った食の提供は、海外客を呼び込む鍵を握る。
 翁長雄志知事は、ギャンブル依存や地域環境への影響が懸念されることからカジノ導入の検討を中止した。知事選の公約に沿った方針転換であり、妥当な判断だ。
 米映画テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が名護市へ進出を検討していることが明らかになった。カジノを伴わない施設の誘致など、もう1泊したくなるような魅力ある観光振興策が必要だ。
 国内最大規模の国際食品商談会「第1回沖縄大交易会」が開催され、沖縄や日本各地の食の魅力をアジアに発信した。那覇空港を拠点とする全日本空輸(ANA)の国際航空貨物事業の開始からことしで5年となり、国際物流拠点としての地理的優位性を証明することにもなった。この優位性をさらに磨きたい。
 一方、観光業や建設業、飲食業などさまざまな分野で人手不足が広がった。有効求人倍率は日本復帰後最高値を更新した。上昇の背景に、求職者が求める待遇と合致しない雇用のミスマッチがある。県内の非正規労働者の割合は40%前後だ。実質賃金指数は前年割れが続く。企業には給与や労働条件の改善など質の向上が求められる。
 沖縄三越の閉店は、全国的な百貨店事業の苦戦と、中心商店街の空洞化を象徴する出来事だった。国際通り周辺の再開発と併せて、地元客にも観光客にも受け入れられる空間づくりに知恵を絞りたい。



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