<社説>性暴力被害者支援 24時間相談体制が不可欠だ

 性暴力はいつ起きるか分からない。このため、被害者支援は24時間365日体制で対応する必要がある。

 だが、2月2日に開設される「県性暴力被害者ワンストップ支援センター」は相談受付時間を平日午前9時~午後5時とした。この時間帯は県警などの性犯罪被害者相談電話の時間とほぼ重なり、被害者支援の充実には程遠い。
 支援センター開設に期待していた関係者の「(電話を)かけたい時につながらなければ意味がない」との言葉を、県は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 性暴力は平日の日中に集中して発生しているわけではない。休日や夕方以降にも発生することは容易に想像がつく。相談時間を平日の日中に限定することは、支援センターの相談業務が始まるまで被害者は待てと言うに等しい。
 中途半端な相談受付時間の設定によって、被害者の多くは十分な支援が受けられない可能性がある。被害者のことを考えれば、24時間365日の支援体制は不可欠である。早期にその体制に移行することを求めたい。
 有識者で構成する県の検討会議は2013年、「病院拠点型で24時間365日対応のセンターとすること」を県に提言した。
 しかし「病院拠点型」は見送られ、相談センターを設置して複数の協力病院など関係機関と被害者をつなぐ「連携型」となった。その上に相談受け付けの平日、日中だけの対応である。この2点が骨抜きにされたことは大きな後退と言わざるを得ない。
 拠点型ならば、相談から必要な支援までを1カ所でできるが、連携型は複数の関係機関との連携が必要なため、相談員の負担は大きくなる。その分、適切な対応の面で被害者にも影響がないとは言い切れない。
 加害者の特定には被害に遭った後、できるだけ早く証拠を採取する必要がある。24時間365日の相談受け付けでなければ、迅速かつ適切な対応はできない。
 県は運営状況を見ながら受付時間延長や休日対応を検討し、17年度に県立中部病院への機能移行による24時間365日体制を目指すとしている。
 悠長過ぎはしないか。県は実証事業の期間を短縮するなどして被害者の立場に立った運営に改めるべきである。



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