<社説>ハワイとの交流 友好の絆をさらに強く

 ハワイで県系人と接したことがあれば、かの地の人々が母県からの来訪者にどれほど親切にするか、身をもって知っているはずだ。沖縄が苦しい時、助けてもらった恩もある。この縁を大切にしたい。

 7月にホノルルで開かれる県とハワイ州との姉妹都市締結30年記念式典に翁長雄志知事が参加の意向を示した。10月には全米初の県系人知事であるイゲ知事が沖縄を訪れる。これを機に友好の絆を強くしたい。
 ハワイと沖縄の縁は深い。1900年に沖縄から初の移民を乗せた船がホノルルに入港した。筆舌に尽くし難い苦難の末、県系人たちはかの地に定着し、呼び寄せ移民も増えていった。
 だが日米開戦で県系人は過酷な体験を強いられた。そして戦後、焦土と化した故郷の惨状に矢も盾もたまらず、沖縄への豚輸送を始めた。これが今日の沖縄の畜産の大きな礎となったのは周知の通りだ。この支援がなければ餓死者はもっと多かったはずである。
 琉球大学の設立時には資金を集めるなど多大な貢献をした。ハワイ県系人の助力がなければ間違いなく今日の沖縄はない。
 一方で県系人たちは差別を乗り越え、ハワイ社会の各界で活躍するに至った。どれほどの努力が必要だったか考えると頭が下がる。そして今、県系3世、4世は古里の文化を引き継ぐのに熱心だ。しまくとぅばを習い、三線や空手習得に汗を流す。むしろ彼らの姿勢にわれわれが学びたいほどである。
 ハワイ沖縄連合会は、活動拠点のハワイ沖縄センターの管理運営費に充てるため、新たな商業施設ハワイ沖縄プラザの建設を計画している。母県としても支援したい。
 ハワイと沖縄の行政や研究機関、企業は、島嶼(とうしょ)地域特有のエネルギーの課題解決に連携して取り組むことにもなっている。島嶼では再生可能エネルギーの接続可能量が小さくなりやすい。その課題をどう克服するかという研究だ。克服が実現すれば世界的にも意義ある研究となるはずだ。画期的な成果を期待したい。
 イゲ知事はインタビューで沖縄の米軍基地問題にも言及した。「解決策を探す議論に加わりたい。沖縄の負担を和らげられる機会があれば、米国と日本、沖縄の関係を発展させる議論に加わりたい」と述べている。翁長知事と方向性は共有できるはずだ。その面での連携も緊密にしたい。