<社説>こどもの日 貧困対策と教育に全力を

 今日は「こどもの日」。沖縄の未来を担う子どもたちの幸福や教育のため、予算や労力は惜しみなくつぎ込むべきだと強調したい。

 子どもたちをめぐる状況は、厳しさを増している。
 厚生労働省によると、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の割合である「子どもの貧困率」は2012年時点で16・3%に達した。1985年には10・9%だった。
 デフレや非正規雇用の増加で格差は深刻さを増し、しわ寄せは子どもたちに及んでいる。6人に1人の子が貧困状態にあり、「子どもの貧困大国」とも指摘されている現実をもう一度直視したい。
 県民所得が全国最下位にある沖縄は、もっと深刻だ。特に厳しい状況にある「ひとり親世帯」の割合は、沖縄は全国の約2倍。県のひとり親世帯の実態調査では、生活状況が「苦しい」と回答したのは13年度で8割に上り、母子世帯に比べ余裕があるとされた父子世帯の環境悪化が目立った。
 生活保護世帯の高校進学率は全国の87・5%に対し、沖縄は75・5%(10年調査)にとどまる。経済格差が、教育格差につながっている実態の改善は焦眉の急だ。
 生活保護世帯の児童・生徒向けに県と関係市町村は「無料塾」などの学習支援事業を行っている。国の補助率引き下げに伴い事業存続に関する議論が昨年あったが、こうした予算を増やしこそすれ減らすことがあってはならない。
 「格差の是正」「自立的発展の基礎条件の整備」などを掲げた復帰後の沖縄振興政策の下、沖縄の社会・経済資本整備は着実に進んだが、教育分野への投資は十分だったとはいえないのでないか。
 大学進学率を見ると、復帰の1972年時点で沖縄26・5%、全国29・2%と3ポイント弱だった差は、2013年には沖縄38・2%、全国53・2%と15・0ポイントにまで広がった。見過ごせない数字だ。
 使途をめぐって議論がある一括交付金などで、子どもを毎年百人、いや千人規模で留学させるような発想があってもよい。そのくらいの大胆さで、教育には予算をつぎ込むべきだ。
 子どもの貧困は、食事や栄養などの「健康格差」にも直結しているとの非常に気掛かりな指摘もある。子どもたちを取り巻く課題の解決は、社会全体に課せられた課題であることを再認識したい。その取り組みは待ったなしだ。


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