<社説>国会包囲行動 連帯の輪を確かなものに

 辺野古の海を埋め立てる新基地建設計画に反対する動きが全国に広がっていることを実感する。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画に抗議し、普天間の閉鎖・撤去と移設の撤回を求める国会包囲行動に約1万5千人(主催者発表)が参加した。
 国会を取り囲んで辺野古移設反対を訴える行動は1月にも行われている。前回の参加者は7千人(同)だ。辺野古の問題への関心の高まりが背景にあるのは間違いないだろう。国会包囲に合わせて大阪など全国各地でも市民運動が展開された。
 国会周辺には家族連れや友人同士などさまざまな世代の人たちが見られた。アイドルグループの参加も話題になった。辺野古反対の運動が草の根から広がっていることの反映だと受け止めたい。
 参加者からは辺野古の問題と併せて、集団的自衛権の行使容認や関連する安全保障法整備などにも強い危機感が示された。
 安倍政権は県内の一連の選挙で示された結果を顧みずに移設に向けた作業を強行している。だが民意に反した施策を進めているのは辺野古や安保法制に限らない。
 特定秘密保護法の成立や武器輸出三原則見直し、原発再稼働なども同様だ。多数の民意に反して政権や特定の利益団体などに都合のよい施策が推進され、喉元過ぎればまた別の施策がごり押しされる。国会周辺に集った人たちは、こうした日本のありように強い危機感を覚えているのではないか。
 国会包囲行動の声明は「沖縄県民の闘いを力ずくで押しつぶそうとする日本政府の姿勢は非道極まりない。こうした現状では日本は民主主義国家であるとは到底言えない」と厳しく批判した。まさにその通りで、政権は移設強行を断念すべきだ。
 辺野古をめぐってはミサイル攻撃への脆弱(ぜいじゃく)性から、中国に近い沖縄での海兵隊基地移設を疑問視する声が米専門家にもある。戦後70年がたってもなお外国軍に基地を提供しようとする事業に正義があるのか。メディアの全国調査にも表れているように、沖縄の異議申し立てに賛同する意見は確実に広がりつつある。
 翁長雄志知事は辺野古移設阻止を米関係者に訴えるため、27日から訪米する。沖縄の民意に理解を寄せる人々との連携をさらに深め、国内外の世論に働き掛ける大きな力に結び付けていきたい。



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