<社説>熱中症に注意 適切な応急処置も重要だ


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 豪雨一過、県内では最高気温が30度を超す真夏日が続いている。この季節、注意が必要なのは熱中症だ。しっかりと予防して、長く暑い夏を乗り切りたい。

 総務省消防庁によると、6月に熱中症で救急搬送された人は全国で3032人、うち沖縄は262人で最も多かった。直射日光の強い沖縄は、特に注意が必要ということだ。
 県は熱中症予防啓発期間(6~9月)中、23定点医療機関から報告があった熱中症発生数を週単位で集計している。
 ことしは第3週(6月14~20日)まで2007年以降で週ごとの最高値を記録した。だが第4週(同21~27日)以降は、期間中の発生数が923人と07年以降最も多かった14年のペースを下回っている。第7週(7月12~18日)までの発生数は381人で、14年の473人に比べ約8割まで減少している。
 だが減ったとはいえ、ことしは現時点で14年に次いで発生数が多い。暑さはまだまだ続き、今後再び増えることが予想されている。しっかり対処したい。
 熱中症の発生場所は「建設・工事現場」131人、「運動場」74人、「その他(屋外)」43人の順に多い。仕事や運動に没頭すると、こまめな水分補給を忘れがちになる。汗をかくと体液が失われ、発汗による体温調整がうまくできなくなる。休憩することを努めて意識し、体内の乾きを防ぎたい。
 日中は屋外での活動をなるべく避けたり、水分をこまめに取ったり、エアコンや扇風機で室温28度を超えないようにすることを、常に心掛けて熱中症を予防することが大切だ。併せて、周囲にいる人が熱中症で具合の悪くなった人に早めに気付き、適切な応急処置を施すことも重要だ。
 様子のおかしい人に気付いたら、その人に意識があってもなくても涼しい場所に移し、服を緩めて体を冷やそう。意識がなかったり、動けなかったりする場合は迷わず救急車を呼ぶ必要がある。
 高齢者の体内水分量は若い人より少なく、脱水症状になりやすい。高齢者に元気がないときは、すぐに医療機関を受診させよう。子どもたちへの目配りも意識したい。
 熱中症になると、目まいや失神、筋肉の硬直、意識障害が起こり、重症化すると死亡することもある。予防に万全を期すことはもちろん、応急処置法も身に付けたい。