バスケットボール男子のナショナルリーグ(NBL)とTKbjリーグを統合し、2016年10月に開幕する新リーグの1部参入12チームに、琉球ゴールデンキングスが入った。
bjリーグで3度の優勝を達成するなどリーグを代表する球団に成長したキングスが1部入りするのは当然のことだ。熱い声援を送ったブースター(ファン)や県民と共に喜び、新たな出発に期待したい。
新リーグは「運営方式の異なるリーグ併存は問題」とする国際バスケットボール連盟(FIBA)が昨年11月、日本協会は国内統括団体として機能していないとの理由で処分を科した。国際連盟が強く指導し、統合されることになった。
新リーグは3部制を採る。1部入りには「ホームアリーナ入場可能数5千人」「年間売上2・5億円」などの条件をクリアする必要がある。
キングスは07-08年シーズンからbjリーグに参入した。最初のシーズンこそ最下位に沈んだが、チーム強化に成功し08-09シーズンでリーグ初V。11-12シーズンと13-14シーズンでもリーグ優勝を達成するなど、実績は十分だ。
さらに14-15レギュラーシーズン平均観客数は3千人を超えリーグトップ。年間来場者数は2季連続で10万人を超え、国内トップクラスの観客動員力を誇る。ホームアリーナも沖縄市に建設予定で、環境は整っていると判断された。
「実力のNBL、人気のbj」と称される。キングスが新リーグに挑むには、チーム力の底上げが不可欠だ。補強や選手育成などを長期的戦略を持って進め、新リーグでもトップレベルのチームであり続けてもらいたい。
夢のあるチームづくりに経営の視点も欠かせない。5千人集客は簡単ではなく、bjの多くのクラブは財務体質が十分とはいえない。今後も県民や企業がキングスを経営面で支援する必要がある。
これまでバスケ教室開催など地域密着の地道な活動も行ってきたが、さらに地域に浸透させるため、興味がない人も見に来るような仕掛けなど、いま以上に集客、営業努力をしなけらればならない。
地域が支えるチームの活躍が地域を元気づけ、沖縄で新しいスポーツ文化を創造すると期待したい。「わったーチームを日本一に」を合言葉に、県民挙げてキングスを支えていこう。