<社説>女性活躍推進法 働き方の改革も必要だ

 女性の登用を促すため、大企業や国、地方自治体に数値目標の設定を義務付ける女性の活躍推進法が参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。

 日本は少子高齢化が進み、人口減少時代に突入している。労働力不足が懸念される中、採用や昇進の機会を増やし女性に力を発揮してもらい、日本社会の活力を維持するのが狙いだ。
 新法を単なる「働き手の確保」の手段にしてはならない。女性が自らの希望に沿って生き生きと働き続けるため、経営者や職場に根付く男性優位の意識を変えていく契機にしなければならない。
 新法では企業や自治体に女性登用の壁となる要因を把握、分析し、改善策を行動計画として公表することを求めている。これまで消極的だった具体的数値目標設定の義務付けに踏み出したのは、一定の評価ができよう。企業間の相互意識を高める作用が働き、女性の採用や登用の増加、働く環境の改善につながることを期待したい。
 ただ、具体的内容や数値目標は企業の判断に任されており、実効性確保が課題だ。さらには非正規雇用の女性は対象からこぼれ落ちる可能性もある。女性間の格差が広がらない対策が不可欠だ。
 世界各国の男女間のさまざまな格差の現状を指数化しランク付けした2014年版「ジェンダー・ギャップ・リポート」によれば、日本は142カ国中104位で、先進国の中でとりわけ低い水準だ。
 厚労省によると、働く人全体のうち女性の割合は約4割に上るが、半数以上が非正規雇用だ。出産や育児を機に離職する女性も多く、働きたいのに働けない女性は315万人に達している。平均賃金は男性の7割にとどまる。
 長時間労働が常態化し、男性の育児や家事に参画する時間は短く、保育所も足りていない。
 女性が子育てしながら働きやすい社会にならなければ、稼ぎ手として経済成長、社会保障制度を支えることはできず、人口減少も抑えられない。
 女性が働き続け活躍するには、一企業任せにするのではなく、社会全体で働き方を改革し子育てをしやすい環境に整備しなければならない。長時間労働を当然と考える職場慣行の是正を図り、その上で成果を上げる労働者を男女の差なく、適切に評価し、昇進させていく仕組みや環境をつくり上げていくことが求められている。